いま都内では、珍しくロシア映画の新作3本が同時に公開されている。
『ククーシュカ ラップランドの妖精』Кукушка, 2002.
第2次世界大戦末期、フィンランドとソ連の国境地帯のラップランドが舞台。言葉が通じない3人の男女の三角関係を通じて、戦争のむなしさを描いている。独特の感覚のコメディで知られるアレクサンドル・ロゴーシキン監督の会心作につき、必見。
『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』Ночной дозор, 2004.
SF作家セルゲイ・ルキヤネンコの同名小説を原作とするダーク・ファンタジー。現代のモスクワを舞台に、吸血鬼たちの最終戦争の幕が切って落とされる。2004年に、ロシアの国内興行成績の記録を塗り替えて話題となった、新しいロシア映画の世界を代表する作品。続編の『DAY WATCH(Дневной дозор)』(2005年末公開)も、歴代興行記録をさらに塗り替えている。
なお、
ナイト・ウォッチ ファンドットコムの
「露西亜的文化研究室」に拙文が掲載されている。
『大統領のカウントダウン』Личный номер, 2004.
チェチェン戦争は、イスラム原理主義に操られたテロリストたちとの闘争であるという、ロシア政府の広報映画。アクションシーンは、それなりに見せる。
この3本の公開に合わせて、
『キネマ旬報』2006年4月上旬号(1453号、3月20日発売)では、「ロシア映画の新世紀がはじまる」として、小特集が組まれている。
続いて、ゴールデンウィークには、アレクサンドル・ソクーロフ監督の新作
『ファザー、サン』も渋谷・
ユーロスペースで公開となる。この公開に先立ち、4月15日(土)〜28日(金)に、「ソクーロフ監督特集上映」が行われる。『孤独な声』、『日陽はしづかに発酵し…』はニュープリントで上映されるので、改めてスクリーンで見たい。
なお、7月には、「
ロシア文化フェスティバル2006 IN JAPAN」の公式プログラムとして「ロシア・ソビエト映画祭」が東京・京橋のフィルムセンターで開催される。こちらでも、日本未公開の新作3本が上映される運びとなっている。