秋の叙勲で、モスクワのロシア国立中央映画博物館館長のナウーム・クレイマン氏が、旭日章を受章した。映画博物館では、在モスクワ日本大使館主催の日本映画祭や小津、成瀬などの特集上映を行ってきたほか、日本文化に関心を持つグループに会場を提供するなど、日露文化交流に貢献してきたことが評価された。
昨年来、映画博物館の存続が問題になっており、側面支援の意味合いも込めて日本大使館のスタッフが動いたことが、受章につながったようだ。
今回は、クレイマン氏のほか、日本でも絵本などを通じておなじみの画家であるマイ・ミトゥリチ=フレブニコフも受章した。
さて、肝心の映画博物館の運命だが、現在の所在地である映画センターから出ざるを得ないことは確定している。ただし、映画博物館そのものは存続させるという方向で動いており、収蔵品はとりあえずモスフィルム内に仮置きされることが、ほぼ決まっているようだ。
しかし、市内に拠点がなければ、シネマテークとしての機能を果たせない。新たな拠点をつくるという話は出はじめたが、金がかかることなので、まだどう転ぶかはっきりしない。“無責任な責任者たちの発言”が飛び交っている段階だ。
また、ベスラン(2004年9月に武装勢力による小学校占拠事件が起きた町)に今年10月4日、映画博物館の分館として北コーカサス・シネマテークが開設された。今年2月にモスクワを訪問した際、クレイマン館長から構想は聞いていた。子供たちが戦争や殺戮をめぐる映像に取り囲まれるなかで、そうではない世界を見せるための拠点が必要だという考えから生まれた構想だという。こちらの展開も見守っていきたい。
2005年11月06日
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